〒271-0092 千葉県松戸市松戸2268-3
この夏も、連日の猛暑で、診察の待ち時間などで、たいへんご迷惑をおかけしました。 また、このコラムも、忙しさにかまけて、更新していなかったことを、反省しております。 さて今回は、みずいぼについて、お話をしたいと思います。当HPへの検索キーワードで、一番多いものです。正式の病名は、伝染性軟属腫といいます。これは、軟属腫ウイルスという病原ウイルスが、皮膚細胞に感染しておきるものです。なかに水が入っているようにみえるため、みずいぼと呼ばれています。病変は皮膚表面だけのもので、からだの中(内臓)には、まったく影響はありません。しかし、伝染力が強く、直接皮膚が触れ合うような場合にうつるといわれます。そのため、スイミングスクールなどでは、接触する機会が多いので、よく問題になります。また、ビート板、タオルなど、間接的な接触でも、うつることがあるので、なかなか、予防が難しいともいわれています。 では、私見を、交えて、Q&A形式で、お話をすすめます。 Q: みずいぼは、とらなければいけませんか A: ウイルスの病気ですので、はしかなどのように、免疫がつき、自然に治ります。しかし、自然と治るまでは、報告によると、平均6が月(長いと2年)ぐらい、かかります。プールなどで、接触する機会が多いと、うつしたり、うつされたりと問題になるので、スイミングスクールに通っているお子さんは、処置をすることを薦めています。うつす機会のないお子さんは、様子を、見ていただくこともありますが、2,3個だった、みずいぼが、たくさん増えて、気になってしまうことも、よくあり、いつも判断に迷います。 現在はこのような状況ですので、基本的には、少ないうちに処置をすることを提案しています。 Q: 塗り薬で、治らないのですか A: 現在、有効なものは、ありません。外国では、抗ウイルス薬が、使用されていますが、まだ評価は定まっていません。硝酸銀などを塗る治療がありますが、これは、塗って治すというよりも、薬で焼くといったイメージです。 Q: とるとき、痛くありませんか A: 特殊なピンセットで取るのですが、以前は、非常に痛みを伴う方法でした。 しかし、いまは、麻酔シールが開発され、処置前に、貼ることで、麻酔の注射をしたような効果があり、痛くなくとることが可能になりました。当院での実際の使い方は、みずいぼと診断した後、シールをお渡しし、次回来院するまえに、自宅で貼ってきてもらっています。 Q: 昔は、あまり聞いたことがないのですが A: むかしからある病気ですが(1814年に始めて報告)、1970年代ごろから、スイミングスクールが、普及し、その頃から、急増してきたといわれています。また、そのころに、同じ仲間のウイルスが原因である天然痘という病気が根絶され、種痘ワクチンを打たなくなったため、みずいぼに対する免疫が、つきにくくなったという説もあります。 処置の適否については、ここ10年、皮膚科、小児科、学校、さまざまな立場の方の意見が、乱立して、お母さん方を、悩ましています。私見を申し上げると、医学的にとる必要が本当にあるのか(?)、私自身未だに結論がでていないのですが、社会生活上、とる必要がある場合が多いものと考えています。
2014-02-07 10:40:06
コラム